子宮内膜着床能(ERA)検査について
子宮内膜着床能(ERA:Endometrial Receptivity Analysis)検査とは、体外受精において、良好胚移植を複数回⾏っても妊娠しない、反復着床不成功例に対して⾏う検査です。妊娠において⼦宮内膜が受精卵を受け⼊れる時期が決まっています。この受精卵を受け入れる時期を「着床ウィンドウ(Implantation Window)」といいます。つまり子宮内膜に受精卵が着床できる時間や時期には個人差があるため、適切なタイミングで胚移植を行うことで妊娠が可能になると考えられています。この検査では、胚盤胞移植を想定して準備を行い、子宮内膜組織を採取し遺伝⼦レベルを調べることで最適な「着床ウィンドウ」のタイミングを見つけます。ERA検査を受けた方の30%近くが「着床ウィンドウ」のタイミングがずれていたという結果がわかってきました。当院では必ず子宮内膜組織検査(慢性子宮内膜炎の検査)で慢性子宮内膜炎がないことを確認してからERA検査を行っております。
ERA検査の流れ
原則、ホルモン補充周期で融解胚移植を行うときと同様の方法で検査を行います。
- ⽉経2―3⽇⽬に来院し、ホルモン採⾎を⾏い問題がなければエストロゲン製剤(卵胞ホルモン製剤)を⽉経3⽇⽬から使用開始します。
- ⽉経13⽇⽬に⼦宮内膜の厚さとホルモン採血を確認します
- ⽉経14⽇⽬からプロゲステロン製剤(⻩体ホルモン製剤)を開始して、5⽇後に⼦宮内膜組織を採取し、検査に提出します。検査結果には、3週間を要します
- ※薬剤処⽅、超⾳波検査、ホルモン検査などに別途費用が必要となります。
⼦宮内膜組織採取について
ピペットキュレットと呼ばれる器具で⼦宮内膜の組織を採取します。⼦宮体がん検査と同様の方法で内膜を採取します。通常は3分程度、痛みも軽度ですが、⼦宮の⼊⼝が狭い場合や硬い場合に、器具挿⼊が困難で痛みを伴う場合があります。
当⽇は⼊浴と性交渉はお控えください(シャワーは可能です)。
検体不良による再検査について
ERA検査は、子宮内膜検体の採取量が少なく、「検体不良」で再検査が必要になる場合があります。検体不良で再検査になった場合、検査料などは無料ですが、薬剤料の費⽤が必要です。