反復不成功症例に対する⼯夫
反復不成功とは、通常の移植を複数回施⾏するも着床にいたらないことを指します。当院では反復不成功の患者さまに対して、胚移植に際し以下の⼯夫をご提案いたします。
ヒアルロン酸含有胚移植⽤培養液の使⽤
「ヒアルロン酸」は卵胞液や卵管、⼦宮内腔などに豊富に存在する物質であり、胚の表⾯に結合すると⼦宮に着床する際に有利に働くと考えられています。当クリニックでは2009年より体外受精の反復不成功の患者さまに対してヒアルロン酸を豊富に含んだ胚移植⽤の培養液を⽤いており、良好な成績を収めております *。
* J Assist Reprod Genet 2012; 29: 679-685
アシステッドハッチング(AHA)
アシステッドハッチング(AHA)とは、受精卵の外を囲む膜(透明帯)が厚い場合に、透明帯を薄くすることでより着床を助ける方法をいいます。当クリニックでは最新の設備を用いて卵子へのダメージがないレーザーによるAHAを行っています。現時点で危険性の報告はありませんが、着床時に1個の卵子が分離して、1卵性双胎の発生率が若干上昇する可能性が考えられます。 良好胚であっても、何度も着床しないケースや透明帯が厚いケースには、担当医よりAHAの提案をする場合があります。特に融解胚移植では有用です。
施術前
AHA施術後
施術後の胚盤胞
上記の2つの⼯夫を⾏っても胚へのダメージはなく、より⾃然の着床に近づけると考えられます。また、両⽅の⼯夫を同時に⾏うことも可能です。
ご希望の⽅は必ず胚移植⽇前⽇までに担当医に申し出てください。
事前の準備が必要ですので、当⽇では対応致しかねます。