受精する前の精子と卵子を卵管の中に移植する方法をGIFT法といい、受精卵になったのを確認してから卵管の中に移植する方法をZIFT法といいます。
GIFT法は、体外受精と同様に排卵誘発や採卵で得られた卵子を精子とともに卵管内に戻します。
本来、精⼦と卵⼦が出会い受精し発育するのは卵管の中であるため、体外受精より自然妊娠に近い方法といえます。妊娠率が通常の体外受精より⾼いといわれているのも⾃然の理にかなっているといえるでしょう。ZIFT法では、体外受精によって得られた受精卵を卵管の中に移植します。
体外受精の成功率が低かった約20年前に開発され、その妊娠率の⾼さにより⼀時は不妊治療の主流となりました。しかしその後、体外受精の妊娠率が⾼くなったこと、⾊々な技術が進歩したことで、腹腔鏡をしなければならないこれらの方法は、現在では特殊な場合以外は行っておりません。
GIFT法/ZIFT法が有効な特殊な場合とは、採取される卵⼦の数が少ない、⾼齢である、体外受精や顕微授精では何度も失敗している、内膜が薄いなどが挙げられます。
反復不成功の場合や⾼齢の場合のひとつのオプションととしてお考えください。
移植は腹腔鏡で行うため、卵管周囲の癒着や卵管采の異常などが見つかるメリットもあります。ただし、どちらの方法も卵管を使うため、卵管に異常がないことが実施の条件となります。また、腹腔鏡手術では、全身麻酔下でおなかの一部に穴をあけて卵管にチューブを差し込む手術になるため、身体的負担があることがデメリットです。
傷は3mm〜5mm程度と⼩さなもので、⼿術時間は15〜30分ほどです。当クリニックでは⽇帰り⼿術が可能なため、翌々⽇からお仕事をすることができます。
受精卵を培養する技術（ZIFT法の場合）、全身麻酔が行えること、腹腔鏡下手術が可能であることが実施施設の条件となるため、現在、全国で数施設のみで実施が可能となる方法です。詳細については担当医にお尋ねください。