日帰り内視鏡手術
当クリニックでは、内視鏡手術が必要な⽅には積極的な⽇帰り⼿術を推奨しております。原因不明のほとんどは、卵管の癒着による卵管性不妊と考えられています。
しかし、その診断が定かでないため、⻑時間の不妊期間を経て最終的に体外受精を⾏うことになります。このような⽅の中には、腹腔鏡下⼿術により⾃然妊娠可能となる⽅が多くいらっしゃいます。
また⼦宮内病変には⼦宮鏡下⼿術、卵管が細い⽅等には卵管下⼿術と各種内視鏡⼿術を⾏い、妊娠率向上の⼀端を担えることを期待しています。
子宮鏡下手術
子宮鏡下手術とは、⼦宮鏡検査で筋腫やポリープが⾒つかり、妊娠のために切除が必要であると判断された場合にすすめる⼿術です。内視鏡(⼦宮鏡)を⼦宮内に挿⼊して、⼦宮内をテレビモニターに映しながら、⼿術を⾏います。直視下に⼿術を⾏うため、ほぼ確実な切除が可能です。ただし、摘出物は病理検査に提出しますので、写真で確認いただくことになります。術後の痛みは、おなかを切る⼿術とは異なり軽度で、通常では当⽇夜より歩⾏や⾷事が可能となります。ポリープ、筋腫の位置や⼤きさによりますが、順調であれば⽇帰りまたは翌⽇に退院可能です。
⼿術時間は位置/⼤きさにより異なりますが、平均で15〜20分程度です。
卵管鏡下手術(FT:卵管鏡下卵管形成術)丸の内
卵管鏡下手術とは、不妊治療のうち、卵管が詰まっていたり、狭くなることで、卵⼦や精⼦が卵管を通ることができない卵管性不妊症の⽅を対象にした内視鏡治療のひとつです。
カテーテルと呼ばれる細い管を経膣的に⼦宮や卵管に挿⼊し、内視鏡で卵管内の状態を確認したり、癒着を剥離して通過性を回復させる体に負担の少ない治療法です。医療保険が適用されます。
- ※卵管鏡下手術(FT:卵管鏡下卵管形成術)は杉⼭産婦⼈科 丸の内でのみ行います。
- ※FTで診断できるのは、卵管の近位部(⼦宮と卵管の接合部付近)のみとなり、遠位部は確認できません。遠位部を観察するには腹腔鏡となります。
- ※当クリニックでは、腹腔鏡下手術とFTの同時⼿術を⽇帰り⼿術として可能とし、従来では体外受精となっていた「卵管不妊の⽅」に⾃然妊娠という希望をかなえていただきたいと思うのです。同時⼿術の場合でも、「⾼額医療助成」により費⽤を抑えた形で⼿術を受けていただくことが可能です。
FTの実際の手順
- 細い内視鏡(卵管鏡)を内蔵した細い管(カテーテル)を⽤意します。
- カテーテルを膣から⼦宮へと挿⼊し、卵管に近づけます。
- カテーテルの⾵船(バルーン)を膨らませて、卵管の中へバルーンを進めます。
- 詰まっているところを広げます。
腹腔鏡下手術(腹腔鏡検査)丸の内
腹腔鏡下⼿術とは、卵巣嚢腫、⼦宮筋腫、腹腔内観察(原因不明不妊)、⼦宮外妊娠などの治療をするために⾏う⼿術です。
⼿術は全⾝⿇酔で⾏いますが通常⽇帰りが可能です。おへその下から直径3mm程度の細いスコープを挿⼊して、⼦宮や卵巣、卵管の状態を検査します。また、同時に卵管に⽔を通したり、腹腔内の洗浄も⾏いますので、⼿術後数ヶ⽉で妊娠される⽅もいらっしゃいます。⼿術時間は癒着の程度によりますが、平均で1〜2時間程度です。腹部切開の傷跡は、体質により異なりますが⼩さくほとんど⾒えなくなります。低侵襲のため退院後はすぐに⽇常⽣活に戻れます。⼦宮内膜症や原因不明不妊症の⽅には⼤変有効な検査です。
- ※腹腔鏡下手術(腹腔鏡検査)は杉⼭産婦⼈科 丸の内でのみ行います。